09月13日(土)の断片

▼未読だった宮部みゆきの傑作『火車』を読了。初版は約15年前。時代が反映された犯罪とトリック。とてもよく出来たミステリーだが、やはり同時代に読みたかった。今月は宮部みゆきの未読の名作を読む予定で、次は『理由』(実はまだ読んでなかった…)を読み始める▼本日は久々に丸一日休み。で、2本立て続けに映画鑑賞。『パコと魔法の絵本』と『SEX AND THE CITY』。前者は意外にも子供連れ客が多く、ちと観る時間帯を間違えた。子供は上映中も容赦なく喋る。バカだから。で、後者はカップル客が多いかと思いきや、女性どうしの客ばかり。サマンサの女体盛り(ネタバレ)の場面で女性の笑い声が響くのは何だか妙な感じ▼そして、夜。楽しみにしてた大西順子トリオのライブ。ブルーノート東京にて。今から15年前。Mt.FUJIジャズフェスティバルで初めて彼女の演奏を聴いて以来のファン。あの演奏にはホント、度肝を抜かれた。その鮮烈なデビューから瞬く間に日本のジャズシーンのトップに躍り出るも、2000年に突然の休業。で、昨年から再び、本格的に復帰。久々に生演奏を聴いたが、やはり凄まじかった。休業前よりも凄みが出た感じ。もう10年以上も新作を発表してないのでこれを機にアルバムを出してもらたいものだ。

08月17日(日)の断片

▼出雲出身の知人から、早めに行かないと拝観までかなり時間がかかると言われていたので、朝8時に出雲大社へ。この時点で整理券を配っているテント周辺には人だかりが出来ていて驚く。もう少し遅かったら大変なことになっていた。受け取った整理券は11時半の回。約3時間待ち。と、係員の方から「Tシャツでは拝観出来ません」と注意を受ける。詳しく聞くと、神様に失礼に当たるので、襟付きのものを着用しなきゃ拝観できないという。とは言っても用意はないので困っていると、付近の観光センターで「特別拝観用シャツ」を販売していると教えてくれる。仕方ないのでそれを購入。しかもこのポロシャツの裾をズボンの中にインしないと失礼に当たるらしく、指示に従う。結果、もの凄くダサいおっさんファッション。これでボウタイをしろと言われたら怒って帰ってたところだ。てか、この格好の方が神様に失礼なんじゃないか▼三時間、方々で読書をしながら時間を潰し、ようやく大国主大神さまが鎮座する御本殿を拝観。とりわけ歴史に詳しい訳ではないが、天井に描かれた色彩豊かな雲の絵は250年前のものがそのまま保存されてるらしく、素人目にもその状態の良さには驚く。めったに見れない霊験あらたかな場所はやはり空気感が一際違い、自ずと背筋が伸びる感じがした。わずか10分あまりの拝観だったが、これで1つ話のネタが出来た。これから事ある毎に自慢しよう▼12時、出雲空港へ。予定ではここから帰省するつもりだったが、母親からの「豪雨で交通機関が乱れてる」というメールが来て、墓参りどころではないので予定変更。東京に帰ることに。が、これまたお盆シーズン、全便が満席。しかも明日の午前中まで満席。お盆シーズンをなめてた。しょうがないので、全便の空席待ちをかけて、空港内で読書しながら時間を潰し、ようやく16時40分の便で席をゲット。無事、仕事に穴を開けることなく帰京▼移動時間&待ち時間がたっぷりあったこの週末。ようやく桐野夏生『東京島』水野敬也『夢をかなえるゾウ』を読了。

08月12日(火)の断片

▼先週から一気に漫画『スラムダンク』(完全版全24巻)を読了。何で今になってそんな昔の漫画を読んだのかというと、『アメトーーク』で“スラムダンク芸人”をやることになったのがそのキッカケ。会議で後輩作家たちがあまりにも熱く語っているので読んでみたくなったのだ。そして、読み始めてすぐに、こんな大傑作漫画を何でもっと早めに読んでなかったのかと大後悔。連続漫画自体、読むのは久しぶりだが、ここまで興奮しながら読んだのはもっと久しぶり。芸人たちもきっと熱く語るんだろうなぁ。今の俺がそれだ。誰かと熱く語りたくて仕方がない▼いよいよ収録があさってに迫った『Go Go アッキーナ』の最終打ち合わせ。ロケ台本を元に段取りの確認は勿論のこと、画撮りのパターンやら小道具の選定やら、音楽のイメージやら細かく話す。たまにこんな仕事は楽しくて仕方がない。ま、番組が面白いかどうかは別だけど。

06月12日(木)の断片

▼あるクイズ特番の会議。ディレクターの一人が「スイカを英語で何と言うか?」と聞かれて、堂々と「デカメロン」と答えてた。昭和40年生まれの同い年。自分も恥をかいた気分▼待ちに待ったカサンドラ・ウィルソンの新譜『Loverly』購入。仕事を終え、家のオーディオで聴き、移動中はカーオーディオで聴き、さらにiPodで聴いて…近年の彼女の作品は出せば傑作という感じ。斬新でいて、王道。今、最も貫禄のあるジャズボーカリスト▼そういえば、先週、併読していた2冊の本を読了。一冊は作家仲間から薦められていた伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』。氏の小説は何冊か読んでいるが、一番面白いかも。きっと映画になるな、コレ。もう一冊は前田塁『小説の設計図』。豊田由美のコラム(本を選ぶ際に参考にすることが多い)で言及されていた書評集。これが実に面白かった。例えば、『センセイの鞄』。話題になっていた当時、自分はこの小説を“変態小説”だと言ってて誰からも賛同を得なかったが、嬉しいことにこの『小説の設計図』では同様に“SM小説”として、巧みに(そして時に強引に)読み解いてて(深読みしてて)痛快だった。他にも『博士の愛した数式』や『犬身』なども独特な視点で批評していて面白かった。小説なんてどう解釈してもいいのだという指南書▼今週発売の『クイックジャパン』が『内村さまぁ〜ず』特集。かなり詳細なデータも載ってて感心。先日、このインタビューに答えたのだが、写真がかなり怪しい。まるで犯罪者。

05月24日(土)の断片

▼ここ15、6年は毎年、5月は劇団公演に追われていたが、今年の5月は久しぶりに何もない。そんなことを思っていたら、はたと屋久島に行こうと思いついた。初めてその島を訪れた時は9月だったのだが、ぎっしりと生い茂った屋久杉群を見ていたら、ここは新緑の季節が一番だと直感的に感じ、次は5月に来ようと決めていたのだ。が、先の理由でそれもままならず、あっという間に5年の歳月が経ってしまった。で、先週、屋久島に行こうと思い立ち、本日の朝、羽田を出発。3年前、思いっきり台風に阻止されているのでちと不安だったが、今回は無事、屋久島に辿り着くことが出来た。がしかし、生憎の雨。天気予報でもこの週末は100%雨。雨天の中、森に入れるのかどうか不安になりつつ、本日は宿泊先のいわさきホテルでゆっくりと温泉に入り、おとなしく読書して過ごす。

05月10日の断片

川上未映子『乳と卵』を読了。タイトルに“乳”が入ってる小説は鮫肌文殊の『乳しぼり』に次いで2作目。知らないけど。で、『乳と卵』。コント台本だったらいろんなダメ出しが思い浮かぶがコント台本じゃないので、感想は略▼仕事を終え、深夜、葛飾区にある“古代の湯”へ。ここは地方感たっぷりの天然温泉。こんな告知がいろんな場所に貼られている。ビッグショーと知り、思わず行ってみたくなるが、たぶん行かない。

05月06日の断片

▼『アメトーーク』の会議に、久々に世界のナベアツの姿が。もう7、8年以上、作家として一緒に番組をやっているが最近はテレビに出まくっているので、何だか会議室にいるのが不思議な感じ、かつ同じ番組をやってるのが誇らしい感じ▼会議の合間に、生放送中の『地球テスト』のスタジオに顔を出す。布でデコレートしたセットをブロック毎に照明で変化をつけるといった舞台的な演出は間近で見ると圧巻。ま、今の視聴者には関係ないんだろうけど▼深夜、帰宅して久々に半身浴。で、森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』を読了。てか、読み終えるのに何ヶ月かかってんだか▼本日、今月三度目の一万歩達成。が、しんどい。

03月02日の断片

▼日中、ずっと台本書き。で、夜は夕飯を食べがてら、ひとり自転車でビルボード東京へ(実際、ここの和風クリームパスタは絶品だった)。本日のお目当てのミュージシャンはロバータフラック。実に71歳のおばあちゃん。なのに、歌声は若い頃のまんま。声質って他の部位に比べて衰えないのか。20代前半、よくこの人のアルバムを聴いていたが、ライブを観るのは初。年齢的にも貴重なステージに違いない。関係ないが、客席に小田和正さんの姿も。氏も今年61歳。すげ。自分のことを思うと、どう考えても60歳を過ぎて放送作家の現役でいるとは思えない。その歳、自分は何の現役でいるのか。ふとそんなことを考える。そんな年頃▼ライブ後、ミッドタウンをぶらぶら。深夜0時までやってるTSUTAYA MUSIC STOREで、マービンゲイ「What's going on」のオリジナルの復刻盤LPを発見。衝動買い。さらに本屋で、岡崎京子の新刊も発見。新装版も含めておそらく全著作を持っていて、この漫画も過去に読んだような気もするが、帯に「初単行本化」とあったので、つい購入。この人、今も現役だったとしたら、今頃、どんな漫画を描いてたんだろ。

02月17日の断片

▼朝起きて今日中にやらなきゃいけない仕事は特にないことに気づき、ふと巨大仏を見に行こうと思い立つ。ものの本ではウルトラマンの体長40メートルよりも高い仏像を巨大仏と定義付けしていて、その条件をクリアした巨大仏は日本には実に16体もあるらしい。今年中にすべて見て回りたいと思っているが、今回は泊まりで行く時間もないので、群馬県の「高崎白衣大観音」(41.8m・高崎市石原町)に決定。新幹線で高崎まで約1時間。車窓から小さく観音様らしき姿が見え始める。この時点でもう不気味。そして高崎駅で降り、レンタカーを借りて走ること数分、交差点を曲がった瞬間、前方に巨大仏がぬぅ〜と現れる。思いっきり不気味。あの独特な何ともいえない気分に襲われ、でも妙にテンションが上がる。そこから徐々に巨大仏は大きくなり、やがて観音様が立つ慈眼院に到着。足下から見上げる白衣大観音。雲の切れ間から太陽が射し、まるで後光に包まれたように神々しい。裏手に回ると観音様の中に入れるというので、早速、300円を支払い、入館(というか入体か。体内に入っていくのは何だかエロい感じ)。最上階まで階段を昇り切り、息を切らしながら外界を見渡す。気分がいい▼その後、近所にある観音鉱泉「錦山荘」に立ち寄って温泉に入り、高崎名物らしい「おっきり」なるものを食べ、夕方に帰宅。ともすると何もせずにあっという間に夕方になってしまうことも多い日曜日。新幹線の中で読みかけだった桜庭一樹『私の男』(これがかなり面白く、俄然この作家に興味を抱く)も読了し、とても充実▼夜、時間に余裕があったのでDVDで映画を2本。『ザ・ディ・アフター・トゥモロー』『街のあかり』。前者は最近、新しくブルーレイディスクプレイヤーを購入したので、その凄さを体感したくて観たのだが、評判に違わずメリハリのきいた迫力ある映像に驚く。今後はDVDからブルーレイに移行していくだろうことは否めない。そしてアキカウリスマキ監督の敗者三部作と呼ばれている作品の最終作。とことん惨めで残酷だが、すべてにおいてこの監督独特の浅さが漂っていてついにやにやしてしまう▼さらに、アメトーークの2週ぶち抜き『出川ナイト』(このためだけに実に一年前から準備していたのだ)を見て腹を抱えて笑いつつ、しみじみこんなことが出来る番組に関われていることを幸せに思う▼とにもかくにも、てんこ盛りな日曜日。それなりに疲れた。

01月27日の断片

▼渋谷パルコにて「志の輔らくごinパルコ」を観た。千秋楽。一ヶ月たった1人で喋り切った最終日。喉の嗄れ具合にその偉業が伺える。いつものように新作落語に感服。産みの苦しみを知ってるだけに笑いながら別の感情も滲み出す。「宿屋の富」という古典に続き、二月に映画化される名作「歓喜の歌」。なるほど、映画の題材にしたくなるのが判る。終演後、師匠にご挨拶▼新年になって読み始めた松浦理英子『犬身』をようやく読了。衝撃を受けた『親指Pの修業時代』から14年。楽しみにしていた新作。話が進みつれどんどん主題の深みにはまっていき、決して成功してるとは思えないが、描写の巧さには舌を巻く▼深夜、DVDで『主人公は僕だった』を観る。設定だけ読むと惹き付けられるが、辻褄の合わなさというか設定のご都合主義に観ながらすっと冷めてしまった。

9月8日の断片

▽土曜日だというのに、午前中から深夜まで会議。いずれの会議も予定よりも前倒しに終わり、毎回小一時間空く。で、読書。東野圭吾『夜明けの街で』読了。不倫とミステリー。実は共通点多し。

7月2日の断片

▽土曜に放送された特番「キレイ(仮)」が高視聴率で朝からテンション上がる。放送中、光浦が言い放った名言「キレイになるって恥ずかしいことじゃないんだね」。番組コンセプトを端的に現してて感心▽特番の会議で日テレに行ったら、久しぶりにT部長こと、土屋さんとバッタリ。実に五年ぶり。開口一番、「おお、生きてたかぁ」。相変わらずだ▽会議が早めに終わったので、慌てて渋谷パルコへ。で、映画『キサラギ』を観た。最高。くだらなくて、緻密。自分が最も好きなパターンのコメディ映画。映画を観ながら声を出して笑うことはめったにないが、4回も声を出して笑った。中でも香川照之に笑わされた。『ゆれる』の凄まじい演技といい、ホント、スゴイ俳優だ▽観終えて、映画を反芻しながら余韻ドライブ。こんな時間がとても楽しい▽さらに、佐藤多佳子『一瞬の風になれ』の第3部をようやく読了。今年の本屋大賞作品。陸上部出身なので(と言ってももう二十数年も前のことだが)試合のくだりは実に面白く興奮しながら読んだ。てか、全三作読み終えるのにどれだけ時間かかってんだ。

6月15日の断片

▽新聞などにも出ていたが、『本当は怖い家庭の医学』出演をキッカケに、山田邦子さんが乳ガンを発見。早期発見だったため大事に至らなかった。過去、一般人の方からも番組の警告によって病を早期発見し、命が助かったという報告は何度もあった。これだけでもこの番組が生まれた意味はあったとあらためて思う。午前中からそんな『家庭の医学』の会議。今一度、気を引き締めていかねば▽会議が早く終わり、久々にタワーレコードへ。ジャズの新譜をまとめ買い。そして西武でこれまた何年かぶりかにパンツもまとめ買い▽本日の最後はいよいよ尻に火がついた特番の会議。朝まで詰める覚悟で臨んだが、終わってみれば、26時。予想外に早く終わったので疲労感も少なく。帰宅して、仕事。気付くと朝4時半。時計を見た途端、ドッと疲れが押し寄せる▽たけしさんのインタビューもの新刊『生きる』を読了。神の御言葉を有り難く拝読。てか、このシリーズ、もう何冊目なのか。

5月6日の断片

▽6月公演『われもの注意』の稽古初日。まだ台本は完成していないので、途中までを読み合わせ&立ち稽古。いよいよ本格的に二毛作期間スタート▽荒木経惟の写真集『東京人生』を鑑賞。何でこんな写真、撮れるんだろ。不思議でしょうがない。天才だけがリンクすることが出来るほんの一瞬の時間とアングルがあるに違いない。中でもこの写真がスゴイ。よくこの瞬間が撮れたものだと思う。奇跡の一枚。

4月23日の断片

▽会議の待ち時間に読みかけの三部作を読もうと思ったが本が見当たらないので、バッグの中に入っていたよしもとばなな『なんくるなく、ない』を斜め読み。旅エッセイであるその文庫本には、沖縄の風光明媚な風景がふんだんに収められていて、それを見ながら、久しくこの景色を目の当たりにしてないなと思う。厄年に突入してからというもの、旅行に行く度に悪天候続きなのだ(その影響は海外にも及んでいて、昨年のニューヨークに行った時には雨続きだったし、一昨年は直接被害に遭わなかったものの、カトリーナが発生した)。本厄の去年なんか沖縄には二度行ったのだがいずれも豪雨。今年は後厄のせいか、雨こそ降らなくなったが、曇天。それも今にも雨が降り出しそうな重い曇り空なので気分は常に沈みがち。そんな状態が続いているからこそ、写真に写っている沖縄ならではの青空、澄み切った海が余計懐かしく思う。晴れてた沖縄を体験したのはもう五年も前か…。

4月19日の断片

▽移動中、某所のタリーズに立ち寄り、ほぼ毎日飲んでいるアサイーヨーグルト(ソイミルクがメニューから無くなったのは何故だ。どっちかってとソイのほうが好きだったので残念)を注文すると、店員が「お召し上がりですか?」と尋ねてくる。一瞬、何でそんなことを聞かれたのかわからなかったので、「え?」と聞き返すと、再度、「お召し上がりですか?」と繰り返す。召し上がるから頼んでるのだ。何を判り切ったことを聞くのかと思い、逆に「どういうことですか?」と質問すると、「お持ち帰りですか、それとも店内でお飲みになりますか」と、明らかにムッとした空気で言い直す。だったら最初っからそう聞けよ。どうやら、「お召し上がりですか?」とは「店内でお飲みになりますか?」ということらしいのだが、その聞き方でそれを読み取れというのは乱暴な話だ。せめて「こちらで」を付けるとかしないと判りっこない。てか、何でムッとされなきゃなんないんだ。「お召し上がりですか?」という聞き方はタリーズの決まりなのか?それとも、店員がバカなだけなのか▽会議が一本無くなったので、その時間を利用して台本を書くつもりが、衝動的に映画を観に行ってしまう。アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『ツォツィ』。シンプルというか、素直というか、この物語展開に物足りなく感じる人もいるかもしれないけど、個人的には好きな類の作品。アフリカの『シティ・オブ・ゴッド』とか言われてるけど、それは現象だけで、根幹はまったくもって違う映画。ここんとこ、観る映画、観る映画、ずっとハズレ続きだったがようやく当たりに出会ったカンジ▽作家仲間の高須さんが上梓した『あまりかん。尼崎青春物語』を読了。高須さんの原体験と原風景が詰まった青春エッセイ。言ってみれば、“アメリカングラフティ”ならぬ“あまりかんグラフティ”だ。同じ世代なので、所々、自分とオーバーラップさせつつ、最後は…。とても、らしさが滲んだイイ本だった。

4月13日の断片

▽会社の模様替えプロジェクトもいよいよ大詰め。不必要なデスクを廃棄しつつ、デッドスペースをつくらぬよう再配置し、新たな家具を購入し、大枠だけは完成。これによって、今まで隅に追いやられていた見習い作家たちの居場所が出来た。深夜、嬉しそうに固まって作業する見習い作家たち▽ふざけてバランスボールを後輩に投げたら、リバウンドして自分の顔面に直撃。こんなことに。ショック▽佐藤多佳子『一瞬の風になれ』第2部、読了。今年の「本屋大賞」に選ばれてた。全部読み終えてないので感想略。残り、第3部▽そういえば、日本一旨い寿司屋だと思っている「あら輝」の大将が番組のゲストに来てくれることに。台本を書きながらあの至福が甦る。また行ける日が来るのか。

4月1日の断片

▽4月1日。エイプリールフールではない。禁煙記念日。今年で煙草をやめて4周年だ。今やすっかり嫌煙家。一旦やめてみると、何であんなものに囚われていたのか不思議な気持ちになる。煙草をやめた直後は確かにツライが、平気になるとこんなにイイコトはない。デメリットは一個もない。今、日本は第二次禁煙期らしい。第一次は禁煙する男性が出始め、第二次はそれに拍車がかかり、その代わりに女性の喫煙が増える。で、第三次には女性にも徐々に禁煙ムードが広がり、第四次でようやくその国全体の禁煙者が激減するんだとか。確かに今、女性のほうが煙草吸ってるもんな。ま、それは別にいいとして、歩き煙草だけは許せない。ろくに吸いもしないで手に挟んで歩いてる女性のなんと多いことか。そんなヤツを見るといつもションベンかけて消してやりたくなる。人一倍愛煙家だったので判るが、歩きながらの煙草は決して美味しくない。あれはファッションなのだ。ウンコファッション。ウンコ女たちめ▽佐藤多佳子『一瞬の風になれ』第1部、読了。高校時代、陸上部だったので感情移入しまくり。まだ第2部、第3部と残っているので、感想は略▽ホテルでマッサージ受けたり、レンタカーで島内をダラダラ走ったり。たった二日だけでかなりのリフレッシュ。大事だな、こんな時間。

2月12日の断片

▽最後の会議が予想外に早く終わったので、これまたやっと『間宮兄弟』を観た。ドラドラの塚地君、数々の映画新人賞を受賞したみたいだけど、確かにとてもいい。映画自体も何だか不思議な映画だったなぁ。『の・ようなもの』が観たくなった▽トイレ本だった、吾妻ひでお『逃亡日記』読了。明らかに『失踪日記』の便乗本。読まなくてもいいと本人も中で言ってるが、ほんとに読まなくてもよかったような気がする▽仕事の合間に、劇団員がやってるミニFM局のジャズ番組のために選曲。もう一年半以上、毎月選曲し続けてるが、今月はやっと世界初CD化されたローズマーフィ『ノット・チャ・チャ・バット・チ・チ』の中から一曲。

2月5日の断片

▽午前中から会議をいくつか終え、夜、『語り女たち』の稽古。町田マリーさんと。短編小説の演出意図を説明し、それを具現化すべく話し合いながら試行錯誤を繰り返す。実はこの時期がいちばん楽しい。あっと言う間に時間切れ▽稽古を終え、慌ててスタジオ台本打ちへ。たっぷり5時間。深夜3時、帰宅▽昨年から少しずつ読み進めていた、方波見大志(かたばみだいし)『削除ボーイズ326』やっと読了。こういうのは、やっぱ、一気に読まないとダメだな。

9月8日の断片

『プチプチOFFICIAL BOOK』購入。プチプチとは潰すとプチと音が鳴るビニール製の緩衝材のこと。暇潰しにプチプチと鳴らすあれである。全国のブチプチマニアたちの本。内容はブチブチ(正式名称!)の歴史や実験、作品、雑学や使用法など盛り沢山。こんなにもプチプチ愛好家がいたとは。中でも感激したのは、あのプチプチひとつずつに色の付いた軽量粘土を注入して創り上げる点描イラストのような作品。よくそんなこと考えついたなぁ。兎にも角にも、この本、愛蔵版の一冊に仲間入り。

9月6日の断片

▽本棚を整理してたら、こんな本が出てきた。これ、世界22ヶ国119人の子供たちに「自分の宝物の絵」を描いてもらってるだけの本。シンプルだけど読んでるうちに顔が弛んでくる。好きな本の一冊。

8月25日〜9月2日の非日常の断片

▽強引に夏休みをとっていたのだ。どこで?ニューヨークで。今回の目的は昨年夏のラスベガスに引き続き、観劇。もう毎日ミュージカル三昧。前回、ニューヨークに行った時にはベタなモノを観るのは恥ずかしいと思い、わざとハズしていたのだが、今回はちゃんとベタな作品も押さえようって訳で、もはや観光地化している『オペラ座の怪人』『ライオンキング』。さすがに観光地だけあって日本人客多し。パシャパシャ、フラッシュたいてデジカメ撮って係員の人に怒られてるの見るとこっちまでばつが悪い。その他には、前回も観たけど今回も『プロデューサーズ』。あとは今年トニー賞を受賞した『ジャージーボーイズ』(これが素晴らしかった!)をはじめ、あのジョンウォーターズの『ヘアスプレイ』とエリックアイドルが脚本を担当した『モンティパイソンスパマロット』。そしてオフブロードウェイで『STOMP』を観劇。いやぁ、どれも素晴らしかったです▽観劇後、二度程、ジャズライヴの老舗へ。ブルーノートではタニアマリアの熟練されたボーカルを堪能し、バードランド(あのチャーリーパーカーが名前の由来。ずっと行ってみたかった)ではリッチーバイラークの燻し銀のピアノを聴いた▽昼間は昼間で、改装後初のニューヨーク近代美術館ホイットニー美術館、そしてベタにエンパイヤステイトビル(厳重な警備と長蛇の列に辟易。展望台から観る景色は恐ろしく高いので非現実的)に行った以外は殆ど読書して過ごす。三浦しをん『まほろば駅前多田便利軒』、東野圭吾『赤い指』、荻原浩『押し入れのちよ』、重松清『その日のまえに』、宮部みゆき『名もなき毒』を読了。感想略。ただ泣けると絶賛されてる『その日〜』には共鳴せず▽読書の合間に11月公演の事務作業や構想などを。今やホテルはLAN設備がしっかりしているのでメールのやりとりもスムーズでかなり便利▽それにしても今年の夏熱波に襲われていたニューヨーク、自分が到着して早々に雨。最終日が晴れたぐらいであとはずっと雨でした。いつから俺は雨男になってしまったんだ。昨年の後半ぐらいからか。早く脱却しないと。てか、どうやって?▽帰国して早々、台本書きを立て続けに3本。否応なしに日常に引き戻される。

8月15日の断片

▽午前中、アマゾンからメール便。中には一枚のCD。自分が購入したものに違いないが、記憶にない。注文して翌日に届くアマゾンでも在庫がない場合は発送が遅くなるので、そういう時はすっかり忘れてることが多い。今日届いたのはPuppini Sisters 『Betcha Bottom Dollar』というアルバム。初めて聴く女性ジャズコーラスグループだったが、これがすこぶるよかったのだ。声質、楽曲共にもろ好み。予期せずこんなCDが送られてくるとなんだかとても得した気分になる▽鎌倉画廊からイチハラヒロコ『愛と笑いの日々』が届く。最小限度の言葉で世界を構築するイチハラ女史。相田みつをのようでもあるが人生訓的な内容ではないし、シニカル。この本は直筆シリアル番号付き限定版で貴重▽本日、我が母校の愛本小学校の廃校記念イベントがあったらしく、田舎から送られてきた記念DVDを観る。歴代卒業生の写真だけで構成されたそのDVD。一番驚いたのが卒業生の総数。121年の歴史でたったこれだけだったとは…つくづく田舎なんだなぁ。

8月4日の断片

▽トイレ本だった(トイレで読む本。ちなみに読んでひどく後悔するような最悪な本はウンコ本)吾妻ひでお『うつうつひでお日記』読了。鬱とつきあう氏の日常生活。劇的なことは何も起こっていないが、ある意味、この生活、すげぇな。「朝起きて、煙草吸って咳が出る時は、まだ起きる時じゃない。また寝る」って。自分が担当してるテレビ番組を見てたとあるが少しは役に立てたのかしら▽台本書きながら、半年分のCDを整理。残すモノと売り払うモノ。どんな駄作にも一曲ぐらいはいい曲があるからそれだけをiTuneにコピー。この作業が面倒臭くもあり楽しくもあり。

8月2日の断片

テリーギリアム監督『ローズ・イン・タイドランド』を観た。物凄く悲劇的なはずなのにとても喜劇的。悲壮感のない少女が徐々に狂気の存在に見えてきて不気味▽恩田陸『チョコレートコスモス』読了。ここ数日で一気に読む。それだけ単純に面白かった。恩田陸版「ガラスの仮面」▽吉祥寺にあるCHACHAHOUSEというライヴハウスで知人のジャズボーカリスト五十嵐はるみさんが結成したユニット「BLUES ANGELS」のライヴを観た。数年ぶりに彼女の“エンジェルボイス”を堪能。終演後、メンバーの方々から先日寄稿したコメントのお礼をされて恐縮。配布されたチラシのコメントを見ると伊東たけし、上田正樹、南佳孝、押尾コータローなどそうそうたる面子に混じって自分の名前が。誰だよお前って感じ。

7月29日の断片

▽不可解なのは、劇団員のいんげんの眉毛だ。今日、11月公演の宣伝用の写真撮影があったのだが、いんげんの眉毛が広がっていることに気付いた。つまり、どんどん増殖していってるのだ。眉毛が伸びるという人はいるが、広がる人はそうはいない。このまま放っておくとそのうち顔面眉毛だらけになる▽オーチャードホールにて広東雑伎団『アクロバティック白鳥の湖』を観劇。男が広げた両腕を綱渡りするように爪先立ちで移動するバレリーナ。男の頭上で爪先立ちして踊るバレリーナ。マシューボーン演出など過去にいろんな『白鳥の湖』を観てはいるがバレエの範疇を越えた数々の離れ業に感服▽さらに宮崎吾郎監督『ゲド戦記』を観た。あんなスゴイ親父を持つと息子としては大変だ。映画は主人公のアレンが父親を刺し殺す場面から始まるのだが、それも何やら意味深に見えて▽そして、今話題の斉藤寅『世田谷一家殺人事件〜侵入者たちの告白』を読了。これが事実だとしたらかなり怖い。いつもならドアの鍵を1つしか施錠しないのだが、読み始めてからドアチェーン含めて2つするようになった。

7月24日の断片

▽朝七時半に起床し、九時の便で帰京。その足で会議へ。そのままぶっ続けで深夜まで会議。疲労困憊。だけど、やっぱり旅行するといい気分転換になる。人生、バランスが肝要。旅行中、読んでた伊坂幸太郎『終末のフール』読了。設定の勝利。自分ならどうするかとつい考えさせられる優れた掌編集。

7月17日の断片

▽午前中の会議でシュークリームが出たので一番相応しいと思われるAD君にプレゼント▽次の会議がひとつ休みになり、中途半端に時間が空いたので同様に時間が空いたという高須さんと昼飯にベトナム料理を食べ、赤坂は氷川神社敷地内にあるカフェで三時間も談笑。OLの休日か▽写真家、川内倫子の携帯カメラ日記『りんこ日記』を読了。俺も、もっといっぱい写真撮ろ。

7月1日の断片

▽村上隆『芸術起業論』を読了。「アート」と「マネー」の関係を冷めた視線で語っていて刺激的。日本人のお金に対する考え方が変化してきているのは明らか。自分的には育ってきた環境の影響もあって、お金に関してはいかにその呪縛に囚われないよう生きていけるかということばかり考えているが、ある種、氏の考え方にも共感しつつ読み進める。さらに、併読していた水道橋博士『博士の異常な健康』、吉田戦車『戦車映画』も読了。読書三昧な一日

6月30日の断片

リチャードブローディガン『不運な女』読了。まさかブローディガンの新刊が読めるとは。80年代に拳銃自殺した作家の、死後発見された遺作。作者の頭ん中で錯綜するイメージを散文詩的に綴った作品。ストーリーというガイドラインがない分、読むのに苦労したが、最近はとんとこの手の小説を読んでないこともあって面白く読んだ。『アメリカの鱒釣り』を読んだのはたしか20代前半。当時、それを機に著作の殆どを読みあさったが、まったくもって内容は記憶に残ってない。でも確実に自分の嗜好性に影響を与えた作家。久しぶりに読み返してみようかと思う▽てか、6月も今日で終わりかよ。はや。

6月17日の断片

乾くるみ『イニシエーションラブ』を読了。会社の後輩の薦めで読み始めたのだが、何の変哲もないベタな恋愛話が延々続き、「最後の一行で大どんでん返しがある」という情報を貰っていなかったら、読み進めるのが辛く感じたはず。中高生ならばこの程度の話でも自分とオーバーラップさせて夢中で読むのだろうが、四十を過ぎた中年には、色褪せたものにしか映らない。そして、「一行で大どんでん返し」がある最後のページ。その色褪せたベタな恋愛話が、たったの一行でまた別のベタな恋愛話に変わった。巧い。ちょっとした悪意が潜むその構造に感服。何故、ベタな恋愛話を設定したのか、その理由も判った。それにしても、「どんでん返し」後の恋愛話もまた色褪せていると感じてしまうのは、やはり歳をとった証拠だな。

4月19日の断片

▽柳宗理が88歳にして初めて刊行した処女著作『エッセイ』を読んでいて心に染み入る一文に出会う。「創造のないところに本当の意味のデザインはない。従って創造のないものは模倣であって、本当のデザインとは言い得ない。デザインの創造とは、表面上のアビアランスの変化ではない。創意工夫をもって内部機構を改革することである」“デザイン”を自分の仕事に置き換えてもまた真なり▽本日の種蒔き仕事はやや進展があって幾分気が楽に。種蒔き仕事とは言っても、その種を見つけるところまでが大変▽深夜、すべての会議を終え、青山ブックセンターに立ち寄り、何冊かの本を購入。今すぐにでも読みたい本ばかりだが、落ち着いて読書に耽ることができるのは夏になる。夏かよ。

4月4日の断片

▽朝から光ケーブルの工事。ADSLで十分だと思っていたのだが、会社が光ケーブルを導入し、今さらながら使ってみてあまりの早さに驚いてしまったのだ。その早さを体験してしまってはもうADSLでは満足できない。即座に契約。光ケーブルにして正解。こんなに快適だとは。だが、困ったことに配線を変えたためかデスクトップパソコンはネットに繋がるが無線LANが機能しないという事態に陥ってしまった。そこで、パソコンオタクのいんげんにお願いして再設定してもらった。こういう時のいんげんは本当に頼もしい。いくら部屋の中がやつの体に染みついた煙草の匂いで臭くなろうとも文句は言わない▽そんな中、ネットを舞台にした小説、平野啓一郎『顔のない裸体たち』を読了。まだまだネットの現実のほうが数段、刺激的だ。


3月29日の断片

▽朝、起きて昨夜の感動再びと、山口百恵伝説「さよならの向こう側」だけを観直してウルウル。何だ、オレ▽高田純次『適当論』を読了。高田さんをこれ程、深読みした本はない。第一章が高田さんと精神科医・和田秀樹氏との対談。のっけからくだらない。高田「先生はたくさん本を出されてるようですが、全部で何冊ぐらいになるんですか?」和田「全部で300を超えるくらいですね」高田「300ですか?300って言ったら200より多いんですよね?」高田さん得意のどうでもいいリアクション。こんな調子で対談が進むのだが、第2章ではその対談を元に、和田氏が高田純次という人間を精神分析しながら、窮屈な時代を生きる現代人に向けて、いかに高田純次の人間性が時代を生き抜くヒントになるかを深読み(笑)。そうした上で、第3章の題名が「高田純次になるために」。著者が高田純次になっていながら、対談以外はすべて和田氏の分析ばかりっていうのも笑う。これを真に受けて実践する生真面目な中年男性がいれば大笑いだ。近年売れている「生きるヒント」的な本を揶揄した、実にくだらない名著▽そういえば、今月は他にも芥川賞受賞作、絲山秋子『沖で待つ』森絵都『屋久島ジュウソウ』も読了。前者は男と女の曖昧な関係を巧みに描いて好きな世界観。後者はまた屋久島に行きたくなった。でも、屋久島にまつわる紀行文としては、田口ランディ『癒しの森ひかりのあめふるしま屋久島』の方が名著。

2月27日の断片

▽千原ジュニア氏から直々にお礼の電話。おそらく作家全員に電話してるのだろうが、実はこんな当たり前のことがなかなか出来ないもの▽三月いっぱいで終了が決定している『大改造!劇的ビフォーアフター』の視聴率が16.1%。視聴率低迷で終わる番組と違い、何だか複雑な心境。どうせなら、最終回あたりで20%超えて終わるとカッコイイのに。ま、難しいだろうけど▽ポールオースター『わがタイプライターの物語』、読了。サム・メッサーの挿画がとてもいい。

1月9日の断片

▽正月、旅行しながら読書三昧『生協の白石さん』池上永一『シャングリ・ラ』山田詠美『風味絶佳』を読了。壮大な世界観と奇想天外な展開の『シャングリ・ラ』と、恋に落ちることの“どうしようもなさ”が詰まってる『風味絶佳』は紛うごとなき傑作▽海外で車を運転してたら、またしても自分の誕生日ナンバーと遭遇。この確率はどれぐらいなのか▽今日から仕事始め。

1月1日の断片

▽帰省。里帰り恒例の家族温泉。両親と弟親子と共に地元の宇奈月温泉へ。今回は甥っ子仕切りで、ビンゴ大会。リーチが6つもありながらも3位。景品はスナック菓子。てか、全員、スナック菓子。1位も6位も。▽羽田空港に向かう首都高で、またもや同じナンバーの車が連なって走っているのを目撃。ここに写っている二台の車。手前のワンボックスカーと先を行く緑のワンボックスカーが同じ数字。コレコレ。「73-09」というめったにない組み合わせがスゴイ。この確率はどれぐらいなのか。▽横山秀夫『震度0』 読了。

12月17日の断片

DSCF0023▽今年の「このミス」一位になった東野圭吾『容疑者Xの献身』を読了。これから読む人も多いと思うので詳細は書かないが、このトリックには舌を巻いた。まったくもって予想できず。一位も頷ける▽夜、下北沢のスズナリで、グリング『海賊』を観劇。現実との符合がとても興味深く。終演後、作・演出を務める青木豪氏にご挨拶。

11月8日の断片

▽意外にも、「ワイルドストロベリー」が欲しいという人が何人もいて、8人の方からメールを頂いたが、一番早かったNさんに贈呈することに。近日中に送ります▽午前中、Pの都合でわざわざ会議時間を移動したにも関わらず、当の本人は来ず。呆れる。それ以外は、深夜まで楽しい会議▽いよいよ、本番まで一週間だが、今回はあまり稽古場に足を運んでいないので、実感が湧かず。深夜、通し稽古で気付いた点を中心に台本を読み直し、改訂▽気付いていない人もいるかもしれないが、演出助手を務める二人がほぼ毎日、稽古日記を書いてて、それぞれの稽古場の様子を見ることが出来ます。リンクは劇団HPのトップページに張ってあるので、どうぞご覧下さい▽ようやく、羽生善治『決断力』を読了。これまではアーティスティックな視点で編集された対談が多かったが、ビジネス書が売れる昨今、これもビジネス書の体裁で、“読む人が自分の仕事に置き換えるなら”的な部分があって蛇足だが、やはり、羽生の語ることは面白いのだ▽玄関で、カマキリを目撃。

10月15日の断片

▽一編ずつ読み進めていた村上春樹『東京奇譚集』を読了。何といっても「偶然の旅人」が面白かった。決して突飛な出来事ではないが、いくつもの奇妙な偶然が“事実”というだけで興味深い。自伝は語られることがすべてこの世に生きていた人の人生だからこそ面白いのだと思っているが、そういった意味では、これは人生の断片だ。同様な本にポールオースターの『トゥルーストーリー』もあって、それも面白い▽夜、稽古場にて11月公演の稽古。キャストが変わるとやはり随分と印象が変わる。それだけでもう別の作品だ。

10月4日の断片

▽一本、会議がなくなり、比較的緩やかな一日▽岡本敏子×よしもとばなな『恋愛について、話しました』読了。読み終えて、あれ?どんなことが書いてあったっけ?と、うまく思い出せないような、そんなふしぎな対談集だった。巷に溢れる恋愛本はあるターゲットに向けたメッセージ集という側面を持つが、これは誰にも向けられていない。二人だけで、いや、自分のなかだけで完結している感じ。だから、具体的な内容が殆ど残らない。考えてみたら恋愛って本来そういうものだ。誰かのために語られるものではないし、語られたとしても根本的な意味においては何の役にも立たないのだし。なのに、an・anの取材を受けてる自分。ま、自分の経験を語ってる訳じゃないから別にいいか。仕事だし▽元劇団員が撮った自主映画をビデオで観た。彼女が在籍していたのは十年前ぐらいだったか。たしか新人オーディションの第一期生だったはず。噂によると、他にも自主映画を撮っている元劇団員がいるらしく、今もみんな表現することにこだわってるんだなぁと、なんだかそんなことに励まされたりもして▽今日、キンモクセイの匂いがした。

9月13日の断片

▽旅行バッグの中を探し、ここ二週間に着てた洋服のポケットを探し、家中の置きそうな場所を探し、車の中を探し、各番組のAD君に尋ね、それでも出でこないお気に入りのデジタルカメラ。一体、どこで紛失してしまったのだろうと途方に暮れつつ、諦めかけていたのだが、今日、パソコンのキーボードの横にそれを発見して驚いた。なんでここに置いてあることに気付かなかったのか。しかも一週間近くも。しばし呆然としました▽以前、劇団宛に本が送られてきた。同封の手紙を読むと、かつて劇団のオーディションを受けた人だった。ずっとうちの芝居が好きで観てくれているらしい。有り難いので、お返しの意味も込めて著作を読む。成功者の成功談はいくらでも読む機会はあるし、逆に失敗談も同様に読めるが、そのどこにも位置しないING系の人の話はなかなか本というカタチにはならない。そういった意味で貴重な一冊

9月11日の断片

▽劇団ミーティング。先日行われたオーディション結果を踏まえてのキャスト発表。惜しくも選ばれなかった者たちもいるが、まぁ、仕方ない。とかく自分自身を否定された気持ちになるものだが、主宰としては劇団員である以上、今後も変わらずみんなを同等に見ていく。何はともあれ、いよいよ11月公演に向けて本格始動。さぁ、そろそろ本に取りかからないと▽夜、劇団員が客演しているので、シアターサンモールでTMP『BANG! BANG! BANG! ちょっとだけ大作戦』を観た▽その後、会議。深夜、帰宅▽自民党、スゴいことになってるなぁ。てか、また選挙行かなかった。実は選挙権を得てから一度も行ったことない。ダメな大人▽iTunes Music Storeでストーンズの新譜を居ながらにして購入。欲しい新譜を即座に聴けることの喜び。便利な世の中になったなぁ。でもまだまだアップされている作品数が少ない。三年後にはこれが定番化してんじゃないかなぁ▽そんなITな世の中とは一切無関係な場所で生きる人の本を読んだ。『木のいのち 木のこころ』という宮大工の口伝を聞き書きした本なのだが、これがかなりいいのだ。法隆寺の改修に携わった最後の宮大工、西岡常一。その弟子、小川三夫。その二人が語る、宮大工という生業。寺をつくるということに留まらず、ものづくり全般に通じる哲学書として読めるのだ。これを読んで、俄然、法隆寺、そして薬師寺を観に行きたくなった。だから、近々、観に行くつもり▽って、行けるのか▽そういえば、万博にも行かないと。もう終わっちゃう。

8月29日の断片

ラスベガスにやって来た。午後、出発時刻までロスはメルローズ近辺を散策し、夕方にべガス入り。初めて来たが空港にスロットが設置されていて驚いた。どんなギャンブル好きだよ。ギャンブルには興味がない自分の目的はショー観劇。今回は観劇乞食になる。宿泊先のBellagioにチェックインして早々、19時からMANDALAY BAY劇場で『Mammma Mia!』を観劇。ABBA世代としては一応押さえておくかと思ってチケットをとったのだが、やはり台詞の細かいニュアンスまでは解らず。場内がウケてるのにひとりポカンとしているのは悔しい。英語堪能になりたい。満足度★★★☆。観劇後、ホテルに戻り、食事。その後、部屋に引きこもり、読書。村上春樹『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』を読了。「本の雑誌」創刊30年記念で特集されてた「30年間のベストテン」ランクインしていたので20年ぶりに読み返したのだが、すっかり内容を忘れていた。これ、初めて読んだ時は衝撃的だったなぁ。今も変わらず心酔。心酔と言えば、このホテルの噴水ショーも実に美しい。

8月14日の断片

ホテル黒部で一泊し、帰宅。
この温泉宿、初めて泊まったが、地元、宇奈月温泉のなかでは、
もっとも高台にあり、露天風呂から見える景色は絶景。

チェックアウトを済ませ、その足で墓参りに。
その後、弟の車を借りてひとり電波が届く街に出て、
台本を書いてメール送信。
ふと思ったが、こんな風にどこに居ても出来る仕事がいいなぁ。
放送作家は実は会議が仕事の中心なので、それが出来ないのだ。
そういった意味じゃ、椎名誠はとても羨ましい環境にあるなぁと、
30周年を迎えたという『本の雑誌』を読みながら、そう思う。
あ、本といえば、昨夜、堀江敏幸『もののはずみ』を読了。
氏の、いわば衝動買いエッセイ。自分の買い物と比べるとなんと趣深いことか。
しかも、パリの骨董屋や蚤の市で買ったものばかり紹介してるし。

午後、小学校のグラウンドで、サッカーなどして遊ぶ。
久しぶりに体を動かしたので疲労困憊。
ふと正面玄関を覗くと、お盆の間は校内を一般公開しているとの立て札。
そういえば、今年中で我が母校も廃校が決定したらしい。
一般公開しているのもそうした理由からだろう。
めったにない機会なので、甥と共に約30年ぶりに校舎の中へ入ってみた。
懐かしい廊下教室
さらに、トイレに入ると、これまた懐かしい想い出の痕跡が。
天井裏に隠れて遊んでいて、
思いっきり足を踏み外してここをぶち破ってしまったのだ。
だから、そこだけ天井板の種類が違ってる(笑)。
当時は、先生から物凄く怒られてとても凹んだものだが、
今は、天井をぶち破って良かったと思う。

校内を一階から順番に見ていくと、
三階の廊下の掲示板に意外なものが展示されている。
それは過去の卒業生たちの集合写真。
その中に、自分のクラスを発見。
めちゃくちゃ、懐かしい。思わぬ暑中見舞いに顔が綻ぶ。
一通り見て廻り、小学校時代よく使っていた近道を通って帰宅。
甥はこの近道の存在を知らなかったらしく、
「すぐ着いた!」と物凄く驚いていたのには笑った。

その後、夕方の飛行機で帰京。
たったの二日間だったが、それなりに充実した里帰りだった。

7月24日の断片

朝9時起床。
朝食を摂り、午後遅くまで部屋のベランダでゆっくりと読書。
島本理生『ナラタージュ』読了。
「本の雑誌」今年上半期のベスト1に選ばれた小説。
北上次郎氏が絶賛しているのだが、
森絵都『永遠の出口』といい、姫野カオルコ『ツイラク』といい、
この人が絶賛するのは、どうもこの手のものが多い。
ざっくりといえば、年上の男性に恋する乙女の揺れる恋心。
こう書くと、陳腐な恋愛小説のようだが、あなどるなかれ。
若干22歳にして、いやになるほどの文才。
ただ、この文才だけで持たせてる感も否めないんだけど。
正直、巧いと感心しながらも、北上氏ほどには感情移入できず。

本を読み終え、昨日に引き続き、島内ドライブ。
本日は車で行ける周辺離島巡り。
まずは、南に位置する来間島へ。宮古島とこの島を結ぶ来間島大橋は爽快。
思わず、路肩に車を停め、をパシャリ。最高。
続いて、もうひとつの離島、池間島へ。
宮古島の最北端からこれまた池間大橋を渡って行くのだが、
ここも爽快の一言に尽きる。何往復もしていたい。
夕方、ホテルに戻り、仮眠。
自由に本を読んで、ドライブして、仮眠をとって…こんな毎日を過ごしたい。
理想の生活。これでホテルの部屋にホームシアターがあれば申しぶんない。
夕食後、音楽を聞きながらだらだらと半身浴。
そして、ゆっくりと読書。至福のとき。
しかし…天気予報によるとまた台風が近づいているらしい。
夏休みをとってる訳ではないので、明日は通常通り、会議がある。
帰れるのか?

7月20日の断片

潜在的に、男というものはマザコンだと思っているが、
そんな男たち、特に三十も半ばを過ぎた男たちは、
この本を、ある意味、今後の心構えとして読んでおくべきだと思った。
リリーフランキー『東京タワー〜オカンとボクと、時々、オトン』 を読了。
母親に捧げた大いなるレクイエム。クールでいて、とても優しい。
所々、自分のこととオーバーラップし、
その都度、胸をぎゅっとさせながら、読んだ。
中年男性の、今年の夏の必読書。
余談だが、柳美里の『命』を悪く言うのはもうやめようと思ったのだった。

7月2日の断片

午後、特番の収録を終え、
夕方から、駅前劇場で東京タンバリン『雨のにおい』 を観劇。
下北沢を歩いたのは何年ぶりだろう。
王将の餃子を売っていた場所にスタバが出来ていて驚いた。
つまりそれぐらいこの街に足を踏み入れていないということだ。
土曜日ということもあって、街は若者たちでごった返していて、
どうせ喫茶店に入ったとしても落ち着けないだろうと、
路地裏に発見したマッサージ店へ。
開演時間までフットマッサージして貰いながら爆睡。

観劇後、大人しく帰宅して、音楽を聴きながら読書。
ようやく川上弘美『古道具中野商店』 を読了。
じれったい恋愛小説を書かせたらピカイチ。

さらに、劇団員の林がどこかのミニFM局でDJをやっている
ジャズ番組のために、今月の選曲。
面倒臭い。とても面倒臭いと思いながら、
今月は、ブリジットメイネス『ガールトーク』に決定。
早く来月の選曲がしたい。


4月15日の断片

午後から夜まで、会議を3本。
最後の会議終わりで、スタッフと三田のうどん屋で遅い夕飯。
意外にも美味しく。こじんまりした店内は、ひとり飯には最適かも。
そいえば、雑誌のPEN(だったか)の特集が、「男のひとり飯」。
コンビニで手にとるも、買うのを思い留まる。
よさげな店が載っていたが、ほんとに一人で行くと、
店員に「こいつ、あの雑誌見て来たな」と思われるはず、
そんなことを考えると、店にいても居住まいが悪いに決まってる。

帯に書かれた、
「むかし、OLYMPUS-PENというハーフサイズカメラがありました。
そのカメラが写し出す風景は、やわらかでさりげないものでした」
というキャッチに惹かれて、
『SWEET BLUES』という小さな写真集を購入。
自分もOLYMPUS-PEN Fを所有しているので、つい。
たしか5、6年前に中古カメラ屋で手に入れたのだが、ずっと使っていない。
写真集を見ていて、久々にそのカメラを取り出してみた。
ここ数年、おさまっていた中古カメラウィルスが活発化する予感…
やばい。

olympus

4月8日の断片

吾妻ひでお『失踪日記』 が面白い。
これだけ自分のことを対象化し距離を置いて描けるのはスゴイ。
とかく自分の不幸を語る時は、悲劇の主人公的に、
独りよがりな心情などを書いて湿っぽくなりがちだが、
そうしなかったのは、というか、そうできなかったのは、
氏がギャグ漫画家だからだ。

読んでて、ふと20年以上前のプチ失踪のことを思い出した。
当時、経済的な理由から、いんげんと森井という高校時代の同級生と
共同生活していたのだが、急にそんな生活に嫌気が差し、
衝動的に見知らぬ土地へ行き、ふらふらしていたことがあった。
とはいっても、ホテルに泊まるお金もないので寝るのは駅や公園のベンチ(笑)。
夜風が寒いので、誰も来なさそうな電話ボックスで寝ていたら、
コンコンとノックされて、「使ってもいいですか?」と尋ねられた(笑)
ただ、そんな生活も一週間ぐらいのことなので、
ホームレス同然の生活をしていた氏に比べれば、お遊びみたいなもの。
実際、半分は好奇心だったし。
しかしこの本を読んでると、本格的に失踪してみたくなる。危険だ。

sissou ★★★★

そして、すごいマンガといえば、
いがらしみきお『Sink』もスゴイ。
これほどまでに振り幅の大きな漫画家を自分は知らない。
『ネ暗トピア』から『ぼのぼの』を経て、そして『Sink』へ。
この世界を描いた作者とは思えない、ある種、冷めた「あとがき」。
すごいなぁ、ほんと。

sink1 sink2 ★★★★

最近、いろんなことが立て続けに起き過ぎていて、
ちょっと精神的に疲れているが、
世の中にはこんなタフな人たちがいると思うと頭が下がる。

4月6日の断片

みうらじゅん『正しい保健体育』 読了。
これ、理論社という出版社が、中学生以上に向けて出している、
「よりみちパン!セ」という、一応は教養本シリーズなのだが、実にくだらない。
冒頭で、「人間の男」とは「金玉というのが本体で、その着ぐるみの中に
入っている」ものだといきなりでたらめな定義付け。
この時点で、既に「名著」の予感があったが、その予想を裏切ることなく、
とてもためになる教養本だった。この人のくだらなさは尋常じゃない。

tadashii ★★★★

『NANA』の新刊が出るまで、トイレ本にしていた、
羽生生純『恋の門』 全巻読了。
偶然にも、『NANA』同様、夢と恋愛が複雑に絡み合った物語。
こういったものを読むには、「トイレ」という場所が適してるのかも。
(※「トイレ本」…トイレで読む本。ちなみに最悪な本の場合は「ウンコ本」。
例えば、『世界の中心〜』とかがそれに当たるが、もう悪口は言わない)

午後から分科会を3本。
夜、1本会議を終えて、スタッフと軽飯。
週末のトークイベントを実はこっそりと見ていたらしく、恐縮。

さくらが咲いた。

3月31日の断片

午前中、会議を1本済ませ、
時間があったので、スタッフたちと昼飯。
ちょうどランチタイムだったので、店内はサラリーマンや
OLたちの姿でいっぱい。
その様子を見たプロデューサー、
「ランチ合コン」が実際に行われているのか否かを気にする。
一時期、雑誌などで取り上げられていたが、
確かに本当にやったことがある人はどの程度いるんだろう?

その後、会議を2本済ませ、稽古場へ。

6月公演に向けた稽古。
ぼんやりと頭に思い描いていることだけでは、
稽古らしい稽古にならず。
ただ、手当たり次第に動いてみただけでも気付くことも有り。

稽古後、公演プレイベントのことを少し話す。

帰宅して、今夜締め切りの台本に慌てて取りかかり、
26時、ようやく書き上げメールで送信。
その後、ずっと我慢していたウンコをしながら、
矢沢あい『NANA』の最新刊12巻を読了。
読み始めた頃は一部で話題になっていただけだったが、
今は映画化が決定するわ、トリビュートアルバムは出るわ、
プレステのゲームになるわで、すごいことになってる。
総発行部数も、2000万部超えたらしい。

移動中、日本の若手注目ジャズマンたちばかりで結成された、
TKY『TKY』を聴き、
つくづくマイルスデイビスの凄さを思い知る。
この源流は、もう20年も前にマイルスがつくっている。
その進化形。

TKY ★★★☆

今日で3月も終わり、明日から新年度の始まり。
区切りにはうってつけ。

3月22日の断片

朝早く起きて、積み残した台本を1本書き上げ、
会議までの宿題をFAXした後、
すぐに、スペシャルのスタジオ台本書きに取りかかり、
書き上げてから、ようやく会議へ。

続けざまに会議を3本済ませ、
編集所にてコンビニ弁当を食べながら、
別のスペシャルのスタジオ台本打ち。
病み上がりだってのに。

23時半、デザイン事務所に行き、
チラシの色校チェック。
これまでの世界観とかなり違うものに仕上がった。
来週、DMが発送される予定。お楽しみに。

前作『ワンダーランド』は、これまでの作品とは毛色の違ったもの
になったが、今回はさらに違うものになる。
タイトルは、『GESTURE GAME/ジェスチャーゲーム』。
2時間近く、ずっとジェスチャーゲームだ。
嘘だけど。

深夜、青山ブックセンターに立ち寄り、
何冊かの雑誌やら本をまとめ買い。
どんどん未読の本ばかりが溜まっていく。
店内でバッタリと番組のスタッフと遭遇。
最近、彼とはよく本について話しているということもあって、
まるで本屋の店員のように、
「これが面白かった」「これは読むべき」と、
何冊もの本をススメる。

そういえば、最近読んだ本。
村上春樹『ふしぎな図書館』
『カンガルー日和』に収録された『図書館奇譚』に、
佐々木マキのイラストが加わった絵本のような短編。
羊男なども登場して、完全に村上春樹ファンに向けた本。
出せば売れる村上春樹モノ。これで1500円はどうなんだと思いつつ、
菊池信義氏の装丁も手伝って、つい買ってしまった。
風邪で寝ている時の、断続的な読書にはうってつけだった。

さらに、野口晴哉『風邪の効用』
随分前に買っていたが、風邪の時こそこの本を読む時機とばかりに読んでみた。
「風邪は治すべきものではない、経過するものである」と説く著者は、
あの有名な野口整体の先生。
風邪で気持ちが弱っている時の特効薬。

fushigi ★★☆ kaze ★★★

さて、これからまた別の台本書きだ。

3月15日の断片

『下妻物語』を観る。
フカキョン、土屋アンナ共にハマリ役。

shimotsuma ★★★★

阿部和重『グランドフィナーレ』読了。
初期の『アメリカの夜』『インディヴィジュアル・プロジェクション』以来、
久しぶりに読んだが、変態度アップ。
絶望の淵から這い上がってくるかのような、不気味な“グランドフィナーレ”。
前作『シンセミア』も読みたくなった。

groudf ★★★★

3月11日の断片

体調優れず、一歩も外に出ず。

深夜、是枝裕和監督『誰も知らない』を観る。
ドキュメンタリータッチで撮られているので、とてもリアル。
主演の男の子、カンヌで主演男優賞を受賞していたが、
これで貰っちゃうと、今後、荷が重いだろうなぁ。
演技というよりも、監督の演出に負うところが大きいから。

ところで、この映画は実際に起きた事件を元にしているというので、
ネットで調べてみたのだが、現実のほうがはるかに残酷で、愕然とした。
1988年に起きた「巣鴨子供置き去り事件」
あまりの不条理さに、心が痛む。

i_p ★★★★

宣伝用の写真がとてもいいと思っていたのだが、
やっぱり、カメラマンは川内倫子だった。
彼女の最新作(と言っても去年発売)『AILA』がとてもいい。
最初のうちは判らないが、見ていくうちに実は見開き2頁の組写真だ
ということに気付く。それも感覚的な。
時折、その組み合わせに悪意なども感じられたりもして、
作者だけが密かに楽しんでいるような、とても巧妙な組写真だ。

2月26日の断片

午後から特番会議。
時間的にも、放送的にも激震。

会議を終え、ふと思い立って、温泉へ。
週末、それも急に取れる宿はなかなかなく、
それでも探せばあるもので、鬼怒川温泉は、山楽 へ。

都内から車で約2時間半。初めての温泉地。
とても良心的な宿だった。
電話では、急なので一日目と二日目は部屋が変わると
言われていたが、いざ来てみると、
空いてるからという理由で、
ロイヤルスイートルームが用意されていた!
しかも、一般部屋の宿泊料金!
ラッキー。
でも逆に、広すぎて一人じゃ落ち着かない。

sanraku

ゆっくり温泉に入って、芝居の構想を…
と思っていたが、ついつい読書。
読むつもりなど毛頭なかったが、
『今週、妻が浮気します』 を読了。
「最悪」だが、ある意味、「最高」な本。
これを面白く読めるのは、極一部の人だ。
というのも…書くのはよそう。
ただ、自分とオーバーラップしたとか、
そういったことではないので念のため。

konshu 

2月23日の断片

今月号の『小説新潮』に、重松清氏と電車男のチャット対談が
掲載されているので読んでみたのだが、ちょっと拍子抜け。
わざわざ特集しているのだから、「結婚が決まった」ぐらいの前進が
あったのかと思ったら、「今の関係の延長線上に結婚があるかも」
というぼんやりとした想いが語られているのみ。
ま、出版元が新潮社だから、こういった企画をやって、
売上げの中押し戦略をするのは当然だけど。
それにしても、『電車男』のヒット以来、その手の類似本が多い。
その中で、『今週、妻が浮気します』という本がそれなりに話題に
なっているみたいだが、
「今週、妻が浮気するようなんですが、どうすればいいんでしょうか?」
などとネットで相談する神経は、どうなんだろう。
根本的に理解し得ない何かがある。
ま、読んでないから、はっきりとしたことは判らないんだけど。

ネットといえば、最近の迷惑メールは文面がくだらなくて、
迷惑を通り越して、楽しみでさえある。
今日届いた新手のメールは「真美」さんからで、
「風邪ひいてない?」という題名で、文面は、
「お久しぶりです。アドが変わったね♪
 寒い日が続くけど、元気にしてる?」
だけ。あまりにシンプルで迷惑メールに思えないが、
これに返信してしまうと大変なことになる。
大体、「真美」という知人はいないし、アドはもう10年以上変わってない。
その前に、アドが変わったのにどうしてメールが送信出来たのか。
そのへんがまだ甘い。ただ気持ち悪いのが、差出人のメアドに
「lovely_bear0523@…」と、自分の誕生日が含まれていることだ。

午後から会議を3本済ませ、帰宅。
帰りがけ、本屋に立ち寄り、何冊かの雑誌と併せて
文藝別冊『中島らも さよなら永遠の旅人』を購入。
直接の知り合いではないが、高校時代から氏の創作物には
触れ続けていたので、もう読めないと思うと寂しい限り。
作家仲間の鮫ちゃんの寄稿がせつない。

さて、これからアカデミー賞の生放送特番の台本書き。
今年は、昨年の『ロードオブザリング』同様、史上最多の11部門に
ノミネートされている『アビエイター』が、
「どれだけオスカーを獲得するか」ではなく、
「どれだけオスカーを逃すか」が一番の見どころ。
過去、同じ監督と主演の映画『ギャングオブニューヨーク』は、
10部門にノミネートされながらも1部門も獲得できなかったという、
悲しい前歴があるのだ。
そういえば、今日の台本打ち合わせで聞いたのだが、
司会を務める藤原紀香サン、日本で公開されていない作品が
多いので、この特番のために、わざわざ渡米して、
ノミネート作品を全部観たんだとか。
そんな仕事の仕方がしたいよ、俺も。

2月22日の断片

「セレブ」という言葉に、小馬鹿にしたニュアンスが含まれはじめているが、
それを決定的にしてしまうような商品が発売された。
花粉症で鼻をかむ人に向けて発売されたのだろうと思われる
高級保湿ティシュー。その名も「鼻セレブ」。
鼻がセレブって、どういうことだ。
「セレブリティ」は「有名人」という意味なので、直訳すると「鼻有名人」。
じゃあ、鼻で有名なのは誰だろうと考えたら、
「♪真っ赤なお鼻の〜」と歌にもなっているトナカイだ。
ひょっとすると花粉症で鼻をかみすぎて鼻が真っ赤になっている人を、
赤鼻のトナカイに見立てて、ネーミングしたんじゃ!って、
そんなことはないか。深読みだ。
にしても、買う時、恥ずかしくないんだろうか。
その前に、売れているのか?

celeb_02 (鼻セレブ)

昨晩の積み残しの台本を書き上げ、
午後から会議を3本。22時、終了。
仕事終わりで、知人たちと軽く飯を済ませ、深夜帰宅。

メールチェックすると意外な人からメールが届いていて驚いた。
そこにはこう書かれていた。
「中野さんの新しい歯が出来上がっているんで、
時間ができたらまたきてください」
歯科医院の人からだった。
たしかに忙しさにかまけて治療中の奥歯を1ヶ月以上、
ほったらかしのままなのだが、まさか歯科医院の人たちが、
この「断片」を読んでいるとは思ってもみなかった。
来週の半ばぐらいに行きます、ってここで予約することはないか。

劇団顧客用に書き始めたこの「断片」だが、
時々、意外な人が読んでいるのを知って驚く。
一番驚いたのは、敬愛する谷川俊太郎さんだった。
最近、またアクセス数も増えているので、まだまだ「意外な人」が
見に来ている可能性もある。
次はどんな人からメールが届くのか。

半身浴しながら弘兼憲史『取締役島耕作』6巻・7巻、読了。
今、上海が熱い。

shima

2月19日の断片

午後から特番会議。
長丁場を覚悟していたが、案の定たっぷり5時間。
放送まで時間がない激動の番組。

その後、別番組のスタジオ台本打ち。

仕事を終え、近所のよく行くお店で、一人、晩飯。
そこに、芸能人Kが女連れで来店。
2人ともキャップ&サングラスをしていたが、
あれ、自分が芸能人だと言ってるようなものだ。逆に目立つ。
おそらく女のマンションが近所にあって、
軽くご飯を食べに来たといった感じだったが、明らかに怪しい関係。
またみっともない不倫記者会見を開くことになったりして。
珍しく、ワイドショーみたいな話題を書いてみた。

少しずつ読み進めていた角田光代『対岸の彼女』 を読了。
現在と過去を巧みに同時進行させながら、
最後はぐぐっと人の暗部に迫る構成の妙。
「葵にとって、親しくなることは加算ではなく喪失だった」
…唸る。

taigannokanojo ★★★☆

帰宅して、久しぶりにDVDで映画を観た。
庵野秀朗監督『キューティーハニー』
劇場公開されてる時から観たいと思っていたが、やっと観た。
で、とっても面白かった。
サトエリがはまり役。
それと同じぐらい、片桐はいりもはまり役。
庵野監督やりたい放題。
編集のテンポというかリズムが心地よく。まるで音楽だ。
やっぱり、確固たる世界観があるものって人を惹き付ける。

cuty ★★★★

2月11日の断片

10時起床。この時刻は何とかクリア出来るようになった。
今週いっぱいこれをキープしつつ、来週からは9時起床だ。

昨日、ジャネットサイデルを聴いたこともあって、
去年購入したまま未聴だった『Blossom Deari/1975』 を聴く。
傑作と言われるブロッサムディアリーのアルバムは、
もう全て出尽くしたと思っていたが、これはかなりいい。
隠れた名盤ってやつだ。

1975 ★★★★

『Macintosh Museum』 を斜め読み。
タイトル通り、Macの歴代モデルの写真が、
まるで美術品のように解説付きで紹介されている。
副題は「Macintosh128KからPowerMacG5まで」。
自分が初めてMacと出会った「PowerMac7500」や、
初めてのノートブック「PowerBook DUO」の写真もあり懐かしい。
こんな本が出版されるのも、Macならでは。
デザイン性が他のパソコンとは段違いだ。iPodにもそれは言えて、
今週の『MONOマガジン』「デジタルプレーヤー特集」を見ても、
やはりデザイン的には、他の追随を許さぬかっこよさだ。
最近、iPodの人気で、パソコンもMacを購入する人が増えている
みたいだが、まさか端末が本体に影響を及ぼすようなことが起きる
とは思ってもみなかった。やっぱり、音楽って偉大だなぁ。

machintosh_museum ★★★☆

午後から会議を2本。
最後の1本が予定外に長引き、遅れて稽古場へ。
先週に引き続き、6月公演に向けた稽古。
だが、前回同様、稽古らしい稽古にはならず断片的なことを話すだけ。
この時間を虚しく思う劇団員もいるかもしれないと思うと、
「稽古中止」も頭に浮かぶが、
こうしていろんなことを「実感する」時間も大事だ。
台本のことだけでいえば、家でひとりで考えてた方が、
思考を邪魔されることもなく、はるかにいいに決まっている。
とは言っても、この状態が長く続くのもまずい。

稽古後、劇団HPの打ち合わせ。
来月ぐらいから、マイナーチェンジ。
それを踏まえて、今年中にはメジャーチェンジをする予定。

深夜、帰宅して、芝居のことを考える。
場所が変わっただけで、椅子に座って考えあぐねている様子は、
稽古場と同じ。この時期がいちばんもどかしい。

2月10日の断片

昨日のサッカー日本対北朝鮮の視聴率がなんと47%!
国民の約半分がオンタイムで観戦していたことになる。
録画して観た人たちを入れると、物凄い数字になるんじゃないか。
ちなみに、自分は生でも観てないし、録画もしてないし、興味もない。
放送作家を生業にしているのに、いいのかそれで、と自分に問いかける。
いい。

1編ずつ読んでいた短編集堀江敏幸『雪沼とその周辺』を読了。
「雪沼」という架空の土地で暮らす人々の、
静かに降り積もる「雪」のような、
あるいは、足を踏み入れるとゆっくりと沈みゆく「沼」のような、
そんな人生の断片を照らし出した短編集。
なかでも、「トランスドット」と「河岸段丘」がとてもいい。

yukinuma ★★★★

移動中、『Janet Seidel/Dear Blossom』を聴く。
好きな女性ジャズボーカリストのひとり、ジャネットサイデルが、
これまた大好きなブロッサムディアリーに捧げたアルバム。
期待し過ぎたせいもあるが、
自分的には、『Art of Lounge』シリーズの方が好み。

_janet_seidel ★★★

午前10時、起床。徐々に朝型に移行。
11時から特番会議&定例会議。
早めに終わったので、久しぶりに渋谷HMVへ。
ジャズの新譜は、いつもつい買い過ぎてしまい、未聴CDも沢山あるので、
今月からは、「10枚限定」というルールを自分に課す。
となると、「どれを買うか?」ではなく「どれを買わないか?」という
選び方になり、たっぷり1時間以上かけて10枚を厳選。
そして、会議へ。

最後の打ち合わせが早めに終わったので、
スパ&フットマッサージ。

帰宅してから、6月公演の構想を練る、というか素材探し。
なかなか発見できず、焦るばかり。
ここが決まらないと、すべての作業が進められない。

2月2日の断片

昨日、買った写真集澤田知子『OMIAI』が面白い。
この写真家、自分の証明写真ばかりで構成された『ID400』で、
木村伊兵衛写真賞を受賞しているが、
今作は「いろんな女性に変装したお見合い写真」ばかり。
変装といえば、森村泰昌を思い浮かべるが、
彼女の場合、あくまでも自分自身がベースなのがすごい。
写真集を見ていて、ふと「お見合い写真」ほど、想像を巡らせながら
真剣に見る写真は少ないということに気付いた。一枚の写真から、性格や育ち、
相性やはたまた将来のことまでも想像する訳で、
「お見合い写真」というだけで、「想像を巡らせる」という強制力がある。
実は、頁をめくっていくうちに、段々、おちょくられてるような気分に
なってしまったが、理由が判った。この人にもてあそばれているのだ。
悔しいが、面白い。

omiai   omiai4

午後から定例会議を1本、企画会議を1本。
以前から試してみたかったことを当てはめてプレゼンしたところ、
思いの外、乗り気になって貰って嬉しいが、要は実現するか否かだ。
夜、もう1本、会議を済ませてから、麻布十番でさまぁ〜ずと飲んでいるという
スタッフたちと合流。約一年ぶりの再会。今年はライヴもやるらしく楽しみだ。

深夜帰宅して、雑誌を読みながら、半身浴。
『STYLE OF COMEDY』の対談で、宮沢さんが
「笑いをつくる者は剛速球投手だ」というようなことを言ってて、とても納得。
笑いって暴力みたいなものだから、体力がないとね。
さらに、『PEN』の特集を拾い読み。
各雑誌、様々な切り口でお店を紹介しているが、
まさか、「植草甚一」を持ち出してくるとは。
特集のキャッチは、「植草甚一のように、歩いてみたい。男の東京マップ」
ターゲット層は限られるが、自分のようにそのキャッチだけで、
つい買ってしまう人もいることもたしか。

1月21日の断片

午後、マガジンハウスのスタジオにて、「an・an」の取材。
20代の男性からとった恋愛に関するアンケート結果を受けて、
コメントを求められたのだが、その資料が面白かった。

その後、会議を2本。
この「断片」を読んでいるというプロデューサーから、
「ひょっとして、結婚するんですか?」と小声で聞かれる。
「式場を押さえてから相手を探す」というのはカモフラージュで、
実はもう決まった相手がいて、結婚をより劇的に見せるための演出
なんじゃないかと思ったらしい。つまりは出来レース。
なるほど、確かにプライベートを明かしている訳ではないし、
そう裏読みされてもおかしくはない。
つまり、「式場」を押さえたとしても、「相手がいない」ということが、
証明できないと、その企画はあまり面白くないということになる。
う〜ん、どうしたらいいんだ…って、別にやることを決めた訳じゃないから、
そんなことを悩まなくてもいいか。
ほかに考えなきゃいけないことは山積みだ。

移動中、スピッツの新譜『スーベニア』を聴く。
これまでは特にファンという訳ではなかったが、これは名盤。
つい、HP上で絶賛していた作家仲間の鮫ちゃんに感想メール。
すると、「元じゅでまりのYUkIのシングルもいいよ」と、
機械音痴らしい文字遣いで、返信されてきたので、
早速、そのYUKI『JOY』を購入。
たしかにいい。早くアルバムを出せばいいのに。

spits yuki

22時から臨時会議。
この番組の会議はいつも楽しいが、今日は爆笑の連続。
総合演出が笑い過ぎて、「腹が痛いからちょっと待って!」と会議を中断。
一日の締め括りの仕事だったので、気分よく帰路につく。
やっぱり、気の合うスタッフとの仕事は楽しい。
そう思うと、あんな特番なんか、引き受けるんじゃなかった、と後悔。

帰宅して、半身浴しながら、読書。
上野玲『耳かきがしたい』読了。
書名からも判るように、耳かきフェチの本。
中には、全国津々浦々から集めた耳かきのコレクションや、
耳かきの歴史、現在発売されている耳かきの批評など、
とにかく「耳かき」のことだけが書かれた本。

冒頭は次の一文で始まる。
「絶海の孤島にひとり流されるとして、ひとつだけなにかを持っていっていいと
言われたら、私は断固、耳かきを選ぶ」。
ものすごい耳かきフェチだ。さらに、対談ではこうも言っている。
「耳かきというのは、棒と穴という形状といい、快感が伴うという点からしても、
セックスのメタファーのように思えてならない」。
そんなこと、考えたこともなかったが、昭和初期には、
耳かきに快感を求めるための「ひびきがね」という音叉のような道具があり、
「それを耳かきに触れさせると、振動が耳の中に伝わり、あまりの快感に、
ゆっとりとよだれを流して耳をかいている者もいた」らしい。
『巨大仏』といい、『耳かき』といい、フェチの本はほんと面白い。

mimikaki

明日から社員旅行。またもや東京を離れる。

1月20日の断片

ハッとして目を覚まし、机に置いてあった腕時計を見ると10時半。
11時から会議だったので、「体内時計って不思議だよなぁ」と思いながら、
シャワーを浴びようと風呂に向かう途中、リビングの壁掛け時計を見て驚いた。
11時。寝室からリビングに出ただけで、30分も経ってる訳はなく、
念のため携帯の時刻を確認すると、やはり11時。腕時計が止まっていたのだ。
紛らわしい時刻で止まりやがって。
所有している腕時計は全部、自動巻か手巻きなので、
腕からハズしたら、信用してはいけない。まるで、○○みたいだ。

慌てて、家を出て10分後にはもう到着。会議もまだ始まっておらず、
家の近所の制作会社は、これだから助かる。
全部の番組がここで会議をやってくれたら、どんなに楽か。

会議を2本済ませ、
三軒茶屋のシアタートラムにて、
遊園地再生事業団『トーキョー/不在/ハムレット』を観劇。
宮沢さんの舞台を観始めてもう15、6年が経つ。前進し続ける姿勢には頭が下がる。
自分なりにやはり新しいことをやっていかないと、行き詰まるし、
何よりも自分自身が楽しめなくなる。そもそも出発点はそこだったはずだ。
そして今回の作品は、リーディング、映画上映など、準備的な公演を繰り返しながら、
一年かけて創られたもの。一年かけてひとつの舞台をつくるというのがまずスゴイ。
先に出版された『不在』という小説も読んでいたので、また違った見方も出来た。
とにかく、いろんなことを考え続けた2時間40分。
それだからこそ、とても体力が必要。そんな舞台は、そうはない。
だからといって、毎回、その手のものばかり観る気力もないんだけど。
『カンフーハッスル』から『トーキョー/不在/ハムレット』まで、
楽しめるものの振り幅が大きければ大きいほど、自分としては理想的。

fuzai

観劇後、旧い知人たちと軽くご飯。
数年ぶりに会ったが、映画で顔を見ているので、さほど久しぶり感もなく。
連絡した時に、ちょうど、この「断片」を読んでいたらしく、
会って早々、「本当に式場押さえて下さいよ、面白いから」と言われる。
そう言われると、ホントにその気になるからまずい。

深夜3時、帰宅。

1月18日の断片

午後から会議を1本済ませ、次の会議が急遽、休みになったので、
昨日に引き続き、歯医者へ。詰めた部分が取れてしまったのだ。
今日は会計での、不思議な会話はなかった。

歯医者の受付で思い出すのは、後輩の作家の話だ。
彼は初めて行った歯医者の受付に一目惚れ。
相手も同様に、彼に強い縁を感じたらしく、すぐに交際が始まり、
数週間後には、なんと結婚することになったのだ。

他にも、自分の周りには、電撃的に結婚した連中が多い。
例えば、初めて入ったガソリンスタンドの店員と話した瞬間に、
「この人と結婚するような気がする」と思い、
数ヶ月後、ホントに結婚してしまったパターン。
例えば、隣のお店で働いている人から初めて食事に誘われ、
食事の席で結婚しようということになり、そのまま親に挨拶に行き、
半年後に結婚してしまったパターン。
例えば、旅行先で出会った人に運命を感じ、
お互い、旅行から帰ってきてそれまでつきあっていた人と別れて、
すぐに結婚したパターン。

以前、an・anの編集者から、「出会いがない」というのが、
読者の一番多い悩みだと聞いたが、出会いは、突然訪れるのだ。
最近では、杉田かおるさんの場合がそうだが、
あの結婚は多くの(中年)女性に希望を与えたに違いない。

って、何を長々と結婚のことを書いてるんだ。
きっと結婚したいに違いない。深層心理の現れ。てこともないか。

夜、会議を1本済ませ、スペシャルのPV会議。
たっぷりと5時間。26時、終了。

宮田珠巳『晴れた日は巨大仏を見に』を読了。
著者が定義する巨大仏とは、「ウルトラマンよりも大きな大仏」のことで、
つまり「約40メートル以上」もあるのだ。鎌倉の大仏が、約11メートルなので、
いかに「巨大仏」が馬鹿でかいか判るはず。
日本にはそんな「巨大仏」が16体もあり、驚いたが、
この本はそのルポ。著者は書く。「巨大仏のある風景を見て、
そのとき胸にわきおこるヘンな感触をじっくり味わってみたい」。
自分も、バンコクで涅槃仏を見た時には妙な違和感を感じたので、
その感覚はとてもよくわかる。だからこそ、この本はとても面白かった。
写真だけでも、あの「ヘンな感触」は伝わってきて、
実際に、その「妙な風景」を見に行きたい衝動に駆られる。
全部は無理でも、せめて日本一の巨大仏ぐらいは見ておきたい。
それは、茨城県の牛久大仏で、大きさはなんと!120メートル!
今年中に、絶対、見に行こうと思う。

kyodaibutsu(★★★☆)

1月5日の断片

遅い朝食を摂り、
ホテルをチェックアウト。
カウンターに荷物を預け、
レンタカーを借りて、島内巡り。

初日に乗ったタクシーの運転手が、
「ここだけは絶対に行った方がいい」
と薦めてた川平湾に行ってみたが、
それほど感動するような場所でもなく。
曇天だったからなのか。

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そのまま、島を北上し、
あてもないドライヴ。
見知らぬ土地を、気の向くままに、
車を走らせるのは、とても気分がいい。

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途中、民芸品とも称しづらい、
妙なオブジェ(?)が並べられた場所を発見。
あそこは何なんだろうか。

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さらに、ヤエシマヤシ群落へ。
まさに南国だが、
中を歩くと、ジャングルのようで、
曇った今日みたいな日は不気味。

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夕方、島内ドライヴを終え、
石垣空港を発つ。
沖縄で乗り換えて、羽田に到着したのが、
19時過ぎ。

帰宅して、すぐにスポーツジム内の
フットマッサージ&スパ。
その後、夕食を摂り、読書。

よしもとばなな『なんくるない』読了。
沖縄を舞台にした短編集。
相変わらず、スピリチュアル。
表題作が一番いいが、この手のものの捉え方は、
今や食傷気味だが、
所々、ハッとする一文があるから、
やめられなくて困る。

nankurunai(★★☆)

年末年始の長期休暇、終了。
明日は、仕事始め。

1月4日の断片

午前遅く目覚めると、外は雨。
出掛ける予定はなかっので、
遅い朝食を摂った後、
ホテル内の各所で、読書。

途中、スパ施設内で、
読書しながら、アロマフットマッサージ。
1時間があっと言う間。

深夜、『ダヴィンチコード』下巻、読了。
一部の西洋史や聖杯伝説に詳しい人にとっては、
結末はすぐに判って、不評なようだが、
そんなに博識でもない自分としては、
西洋史の雑学ミステリーとして、
とても楽しく読んだ。
こういった史実を知った上で、
再度、ルーヴル美術館に行ってみたくなった。

davinch2(★★★★)

ずっとホテル内で過ごした一日。


1月3日の断片

午前10時、起床。
朝食を済ませ、敷地内を散歩しつつ、
しばし、浜辺で読書。

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12時、チェックアウト。
このホテルは、一泊のみ。
フロントで荷物を預かってもらい、
ホテル周辺を散歩。

とりあえず、観光マップには
必ず載っている、唐人墓。

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そして、島民でごった返す冨崎観音堂
という神社で、初詣。
たしか、去年は修善寺で初詣を済ませた。
毎年、出張初詣。

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その後、海辺に静かな喫茶店を発見、
テラス席で延々、読書。

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夕方、全日空ホテル&リゾートへ。
チェックインを済ませ、
ゆっくりとスパで汗を流し、
ホテル内のレストランで、沖縄料理を食し、
その後、深夜までずっと読書。

ダンブラウン『ダヴィンチコード』上巻、読了。
世界中で720万部の大ベストセラー。
史実を再構築し、ミステリーに仕上げてあるのだが、
西洋史や宗教画等に明るくないので、
暗号解読の裏付けとなる解釈に、
いちいち「へぇ」と驚きつつ、
それが大きな推進力となって、
一気に、上巻を読み終えた。
一部では、「この小説はすべて事実に基づいている」
と記しつつも、事実と違っている部分が多々あると、
重箱の隅を突くように非難されているみたいだが、
そんな目くじら立てなくても。

davinch1

石垣に居ながらにして、頭の中はすっかりパリ。
気付くと、深夜3時。

1月2日の断片

機内で爆睡していたら、
あっと言う間に、石垣空港。
昨日の長崎と打って変わって、
ものすごくいい天気。
暖かいだけで気分も高揚。

チェックインまで時間があるので、
市街地をぶらつく。
石垣は初めてだが、沖縄以上に、
とてものどか。島の中心地でさえ、
のんびりとした雰囲気。
気に入った。

街の小さな島料理の店で、
ソーキそばを食べ、
それでも時間があるので、
ホテルへ。
フサキリゾートヴィレッジ。
その名の通り、部屋が集落のように、
敷地内に点在していて、
石垣島っぽいリゾートホテル。

050102a

敷地内のレストランで、
読書しながら時間を潰す。

古川日出男『gift』読了。
19編ものちょっと変わった掌編集。
中でも、「アルパカ計画」の壊れ方が面白い。
その他、「あたしはあたしの映像の中にいる」など、
気に入った作品がいくつもあり。

gift(★★★)

チェックインし、部屋に入ると、
途端に睡魔が。
ちょっと仮眠をとるつもりが、
気付くと、20時。
観光に躍起になるタイプでもないので、
別にそれはそれでいいが、
それでも、なんか損した気分。

敷地内にあるレストランで、
沖縄料理バイキング。

食事を終え、部屋に戻って、
ゆったりと読書。
窓を開けると、遠くに波の音。
至福のとき。

2004年の断片

大晦日なので、今年を振り返ってみる。
昨年ほどではないが、正直、あまりいい年ではなかった。
仕事面では、本公演も二回やりつつ、
新番組もなんとか軌道に乗せ、それなりに充実していたが、
健康面が不安定なのが、ダメだ。
それも含めて、来年はプライベートの充実が課題だな。
★でいえば、去年が星半分の☆だったのに対して、今年は★。

そんな訳で、大晦日恒例の今年のマイベスト。
まずは、今年観たDVDを含めた映画のベスト10。
今年は本公演が二回あったせいもあって、54本と去年の
半分も観ていないが、とりあえず。

10位は、VOL.1と合わせて、無駄なところをカットして、
一本の映画にすれば、かなり面白い作品になってたんじゃないかと
思われる『キルビルvol.2』
9位は、沖縄がマイブームということもあるが、
主人公の小4の女の子がとにかく個性的で光っていた、
『ホテルハイビスカス』
男の子たちを家来のように従えて、海辺を歌いながら行進する
シーンは名シーン。何度も繰り返し観て笑った。
8位は、定年退職する男の哀愁が面白悲しい『アバウトシュミット』
ファーストシーンで映画の良し悪しがわかることが多いが、
この映画の始まりもとてもよかった。
7位は、去年の『ニモ』に続き、ピクサーがランクイン。
『Mr.インクレディブル』CGの進化はどこまでいくのか。
6位は、今やハリウッド俳優、渡辺謙の映画といっても過言ではない、
『ラストサムライ』
5位は、これまたCGアニメ、長靴をはいた猫に笑わされてしまった、
『シュレック2』
4位は、ヒロイン役のキャスティングに不満があるが、
飽きさせない展開が巧い『スパイダーマン2』
3位は、最後の仕掛けに、思わず涙腺を弛まされてしまった、
『ラブストーリー』。
2位は、迷った末に、『ディボースショウ』
そして、1位は僅差で、『SAW』
1位、2位はどっちも、意外な展開に舌を巻いたのだった。
最後に、今年の“観なきゃよかったワースト映画”は、同率で3本。
『えびボクサー』『Summer Nude』『テハンノで売春していて
バラバラ殺人にあった女子高生、まだテハンノにいる』。

続いて、今年読んだ46冊の本の中からマイベスト。
10位は、女の情念渦巻くなかにし礼『さくら伝説』
9位は、読者の思い込みを巧妙に利用したミステリー、
『アヒルと鴨のコインロッカー』
8位は、江國香織『号泣する準備は出来ていた』
この作家の小説は初めて読んだが、いい意味で抱いていた印象と違った。
7位は、独特な文体にぐいぐい引き込まれてしまった、
町田康『パンク侍、斬られて候』
6位は、不可思議な話を人から聞き集めているという設定で、
掌編を巧くまとめた北村薫『語り女たち』
近年、この手の世界観がツボ。
5位は、恩田陸『夜のピクニック』
思いついた時点で物語が内包されている優れた設定。
4位は、梨木香歩『家守奇譚』
何とも不思議な味わいのある短編集。
3位は、ジュンパ・ラヒリ『その名にちなんで』
『停電の夜に』も好きな海外小説の一冊だが、これもかなりいい。
2位は、悩んだ末に、中野独人『電車男』
話題になった後で、電車男は架空の男で、誰かがネタで書き込んでいたという
噂が流れ、それを得意気に「あれは嘘らしいよ」と言ってる大馬鹿者がいるが、
そんな真偽などどうでもいいのだ。
仮に、ネタだとしても、電車男の書き込みに一喜一憂した連中の反応は、
リアルなわけで、何よりもそれがこの物語の重要な部分だ。
大体、電車男がやったこと自体は、ドラマチックでも何でもないんだし。
そして1位。今年もこの人だった。重松清『卒業』
4編から成る短編集だが、「まゆみのマーチ」が巧すぎ。涙腺決壊。

最後に、小説以外のジャンルで印象に残ったのは、
写真集では、以下の3冊。
荒木経惟『恋する老人たち』
川内倫子『AILA』
中野正貴『東京窓景 Tokyo Windows』

その他では、河合香織『セックスボランティア』
ポールオースター『トゥルーストーリーズ』
新元良一『翻訳文学ブックカフェ』、糸井重里『智慧の実を食べよう』
“読まなきゃよかったワースト本”は特になし。

そして、印象に残ったイベントなどは、
ミュージカル『42nd STREET』、マシューボーン『くるみ割り人形』
バンドパフォーマンス『blast!』
ブルーノートの矢野顕子ライヴ
振り返ってみて、あまり観に行ってないことが判明。

来年は、仕事もそうだが、プライベートの充実だな。
積極的に仕事に取り組みつつ、
だからといって、決して仕事に追われるような生活にはならないよう、
いろんなことを楽しもう。
そのためにも、健康面をもう一度、見直さねば。

そんな訳で、来年もよろしく。
この『日常の断片』は、正月も休まず、更新。
さて、来年は一日も休むことなく、更新し続けられるか。

12月30日の断片

久しぶりに、8時起床。旅館の朝は早い。
家族と共に、朝食を食べ、ひと風呂浴びて、チェックアウト。

実家に戻り、本を読んでいたら、睡魔が。
やはり、まだ体は夜型から抜け出せていない。

昼食は、正月でもないのに、雑煮。
今日、東京に戻らねばならなかったので、
気を利かせてくれたのか。
実家で雑煮を食べるのは久しぶり。懐かしい味。

甥が風邪で熱を出し、
遊び相手もいないので、父親の車を借りて、
ひとり、喫茶店へ行き、読書。

kissa(意外と読書に適した喫茶店)

絲山秋子『袋小路の男』読了。
初めて読む作家。“絲山”と書いて“いとやま”と読む。
3編から成る短編集。帯に「現代の純愛小説」とあるが、
今、「純愛」と謳えば、売れるからなんだろうなぁ。
「セカチュウ」や「冬ソナ」を“純愛”とする人たちが読むと、
ここに描かれた男と女の不可解で曖昧な距離感に
戸惑うに違いない、ってはなっから読まないか。

fukurokoji(★★★☆)

夕方、喫茶店から戻って、そのまま墓参り。
田舎を離れて暮らしているので、
お盆だけではなく、帰省した際は必ず墓に参ってから、
東京に戻ることにしている。

20時過ぎ、羽田空港着。
帰宅して早々、劇団員と軽く打ち合わせ。
後は、いかに誠実に、善処していくかだ。

その後、家で『SEX and The CITY』のシーズン6の続きを観て、
劇団員の渡邊にメールで経過報告。
別にネタバラシではなく、これに関しては、
先を知ってからでないと落ち着いて観られないのだという。
そんな劇団員のために、律儀に教えてやる主宰。
なんて偉いんだ。
そして、主人公のキャリーにまたしても新展開。
これ、どんな結末で終わるのか。

12月29日の断片

午前中、目覚めると、窓の外は一面、雪。
一瞬、もう帰省したのかという錯覚に陥る。嘘だけど。

range

14時50分に羽田を出て、16時には富山空港へ。
空港から富山駅までタクシーで移動。
鉄道で実家の最寄りの駅まで行くつもりが、乗り間違える。
本を読んでいたせいもあって、行き先も確認せず、
ホームに入って来た列車に乗り込んでしまったのだ。
しかも最悪なことに、その列車は特急で、
最初に停車する駅は、一気に新潟県の直江津駅。
東京から富山を経由して新潟へ。
自分でも意味が解らない。
おかげで、往復約2時間、たっぷり読書。

ressha

白岩玄『野ブタ。をプロデュース』を読了。
文藝賞受賞作。斎藤美奈子氏が何かの書評で褒めてたのでつい。
会話文に「(笑)」などが入っていて、
こんなのもありになってきたかと、新鮮。
何しろ、小説の1行目は、
「辻ちゃんと加護ちゃんが卒業らしい」
から始まるのがすごい。
「長いトンネルを抜けると、そこは雪国だった」
は、こうなると完璧に古典だ。
読み終えて、高校生の世界って転校すればリセット出来るくらい、
狭いんだよなぁ、と。
歳をとるにつれ、世界が広がり、背負うものが大きくなり、
なかなか、そう簡単にはいろんなことを「リセット」出来なくなる。
それが大人の大変さだ。そんなことをしみじみと思ったり。
「リセット」で思い出したが、
何年も前に読んだ『完全失踪マニュアル』という本は、
そうすれば、人生をリセット出来るのかという発見があって、
とても面白かった。

nobuta(★★★)

2時間遅れで、家族が待つサン柳亭という温泉旅館へ。
夏に帰った時、せっかく近くに温泉があるから、
帰省した時ぐらいは、家族で旅館に泊まろうということになったのだ。
年に二度の親孝行。
久しぶりに、両親と話し、そして、甥と遊ぶ。
マジックで驚かせてやろうと、
「引っ張ったゴムを昇っていく五円玉」という、
子供にも判りやすいマジックを披露。
が、「それ、テレビでやってたよ」と、驚きもせず、冷静な反応。
自分が構成した番組を見て、種もバレてたらしい。残念。

夕食を終え、温泉に入る。
と、50歳ぐらいの中年男性が、倒れていて驚いた。
慌てて、体を揺さぶりながら、「大丈夫ですか!」と声をかけると、
「起きます、起きます、すいません」と、ぬくっと起き上がる。
ただの酔っ払いの爆睡だった。人騒がせな。
途端に、ブヨブヨの体に思いっきり触ったことを後悔。気色悪。

その後、メールで送られてきた企画書をチェック。
そして、ゆっくりと読書。
温泉宿で過ごす、こんなひとときが至福のとき。

12月28日の断片

午前中、知人から電話。
昨日に続き、というかそれ以上に衝撃的な内容に愕然。
いろんなことが起きる年の瀬。

午後、不要になったパソコンとモニターを買い取ってもらおうと、
いつも利用している秋葉原のラオックスのコンピューター館へ。
Macを運び込み、査定が終わるまでの1時間あまり、路駐した車内で読書。
車の中は実は読書に適した場所の上位に入ると思う。

永江朗『恥ずかしい読書』を読了。
「本の雑誌」の連載など、この人のエッセイは好きでよく読んでいるが、
これを読むと、氏がいかに“読書マニア”かがわかる。
何しろ、「歯磨き読書」ということをやっている人だ。
一日三回、食後にじっくりと15分以上、
歯を磨きながら読むための本を用意してるというのだ。
勿論、読書の時間はそれだけではなく、
食事しながら、移動しながら、人を待ちながら、
とにかく、四六時中、ずっと本ばかり読んでいる。
しかも、「普通に読む」だけにとどまらず、
おかしな読み方を発見しては、読書を楽しんでいる。
例えば、「線引き読書」。
重要な箇所や記憶しておきたい文章に線を引きながら読むのではない。
その時々によって、脈略なく、意味のない引き方をしていき、
線が引かれたことによって浮かび上がる言葉を、
もう一度、読み返しながら楽しんでいるのだ。
さらに、「汗」という字が含まれた文章だけをピックアップして、
それを繋ぎ合わせて読んだりもしている。
変態だ。変態読書。本を相手にした変態プレイ。

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約1時間後、査定の結果が出る。
予想はしていたが、やはりパソコンは買うと高いが、売ると安い。
ま、使わないパソコンを置いといてもしょうがないので、
お金を貰って、家が片付いたと思えば、得した気分。
何事も、気持ちの持ちようだ。

帰宅して、部屋を軽く片付けながら、溜まったCDを次々と聴く。
北欧で話題だという、女性ジャズヴォーカリスト、
ヒルデ・ルイス『Eleven Nights 』がいい。
ライナーノーツには、“モンロー系の甘えたボイス”とあるが、
ブロッサムディアリーを筆頭に、ジャネットサイデル、ステイシーケント、
スザンヌなど、いわゆる“ベビーボイス”系は、自分のツボ。
もちろん、歌唱力と巧さは大前提だけど。

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夜、会社の忘年会。
例年通り、社内でひっそりと。
途中、恒例のビンゴ大会。
もともとビンゴ運がないので、欲しいものが貰えず。
今年の目玉賞品は、iPodのU2限定モデル。
自分がゲットしたのは、長さ30センチぐらいのマッチ棒型のライター。
花火をする時には便利かもしれないが、それ以外は無用の長物。
あとは、音のする方にトコトコと歩くペンギン。
これは、ちょっと嬉しい。

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深夜、忘年会を終え、帰宅。
明日、帰省。

『翻訳文学ブックカフェ』と『竹中直人の匙かげん』

honyaku▽午前中、起きて携帯に届いていたメールを読み、驚く。詳細は伏せるが、ただでさえ考えなきゃいけないことが多いのに、まったく。とは言っても、同じ仲間のことだ、出来る限り、善処せねば▽午後、仕事もないので、ひたすら読書。新元良一『翻訳文学ブックカフェ』読了。11人の翻訳家との「翻訳という仕事」にまつわる対談集。あまり海外小説は読まない方だが、それでもお気に入りの小説は何作品もあって、その殆どに、彼らのうちの誰かが関わっているのを知り、驚いた。それにしても、外国語を日本語に置き換える際の裏話はとても興味深い。語学力だけではない、翻訳家に必要な才能。それを駆使して臨む仕事は、パズルのようでもあり、ミステリーのようでもあり、格闘技のようでもあり。これまで、対談集といえば、羽生名人の将棋にまつわる対談が好きで全部読んでいたが、翻訳家の対談も面白く、『翻訳夜話2』もすぐにでも読みたくなった。(★★★★)▽夜、本多劇場にて『竹中直人の匙かげん〜唐辛子なあいつはダンプカー!』を観劇。それなりに楽しんだが、もう「でたらめ」という方法はさほど刺激的ではなくなってしまったなぁ、というのが正直なところ。あるいは、自分の年齢に起因するのかもしれないけど▽観劇後、知人たちと落ち合い、一緒にご飯を食べ、帰宅。本や雑誌を読み、飽きたら、DVD。あっと言う間に午前3時。公演以降、夜型から脱出できない。

『夜のピクニック』

yorupiku▽恩田陸『夜のピクニック』を読了。初めて読む作家。数ヶ月前、「本の雑誌」のブックレビューで興味をそそられて購入、芝居が本番に突入してようやく読み始めた▽読みたいという動機もそこだったが、「夜を徹して八十キロを歩き通す、「歩行祭」という高校生活最後の一大イベント」という設定が絶妙。体力的な極限状態は精神にも大きな変化を及ぼす。過酷な「歩行祭」がその装置として巧みに利用されている。長く引きずっているトラウマは、そう簡単には露呈しないものだし、解決もしない。しかも物語の最後を第三者の少年が見た情景描写でまとめるなんぞ巧すぎ。他の作品も読んでみたいと思わせた。「本の雑誌」的にはこれが今年のベストワンに挙げられていたが、自分的にはそこまではいかなかったなぁ。(★★★★)

『使いみちのない風景』

30429770▽村上春樹『使いみちのない風景』を読了。稲越功一の写真に添えられた、旅にまつわるエッセイというか、散文詩のような文章。世界中を旅する氏は、まず自分は旅行は好まないと否定した上で、じゃあなぜいろんな場所に移り歩いているのかを「定着するべき場所を求めて放浪している」と逆説的なロジックで説明する。なんじゃそれ。にしても、稲垣氏の写真を見ていると海外旅行したくなるなぁ。そういう自分は今後は出来るだけ週末を東京ではないどこかで過ごすつもり。何もせすに何となく一日が終わってしまった、という週末がいちばん虚しいし、独り身なのだからそれを逆手にとって自由な時間を満喫するのだ、って逆手って何だよ。まるで不幸みたいじゃないか。ま、ある意味、不幸。が、同時に、この上ない幸せ。